しずく

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トカゲの尻尾

自分がちぎれた日。痛みは、なかった。重かったので、そのまま置いてきた。まだ、動いている。知らんぷりをして通り過ぎた。きみが、拾えばいい。
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どこまで行ったら

沈みたい。深く。深く。気泡が遠のいていく…光が、途切れる。誰の手も、触れない。深く。深く。潜れば、自分に戻れるだろうか。
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透き通る、虹 ー夏の雨②

今でも、夕立が好きだ。子どもの頃、外遊びの途中で雨に打たれた。友人と、笑いながら叫んだ。濡れた身体を、母が迎える。笑い声が、広がる。虹が、透き通っている。雨の音は、変わらない。今でも、夕立が好きだ。
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夕立のダンス ー夏の雨①

子どもの頃、夏の夕立が好きだった。強い雨。雷の音。どんどん、自分の輪郭が薄くなっていく。わくわくしていた。雨が弾いて、生き物たちがざわめく。その音に、酔いしれていた。気づけば、ただ、そこにあった。音だけが、残っていた。ただ、生きていた。
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少しだけ、儚い日

人と話したあと、たまに自分が、少しだけ減った気分になる。中身が外に出ていったみたいに、少し空っぽになる。金曜日。帰りの電車に揺られながら、どこにも居場所のない自分がいた。さっきまでここにいたはずの自分が、どこかに行ってしまったようだった。今...
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雨に溶ける

自分の評価は、自分でする。そう思いながらも、人から言われたことが消えない日。ふと気づけば、自分が見つからなくなっていた。わたしは大丈夫。いや、その通りかも。でも、やっぱり違う。その揺らぎに耐えられなくなったとき、ふっと、自分が遠くなる。そん...
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白銀の世界に、静かに立っていた

昔、小説で読んだことのある、錦繍の蔵王。キュンパスの存在を知ったその日、ずっと憧れていたその地に吸い込まれるように、チケットを購入した。胸が、ことりと音を立てた。期待と嬉しさを抱え、新幹線に乗りこむ。蔵王温泉。天気は曇、そして少しの雪。雪と...
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新しいリズムはぎこちない

慣れない人と、話せるようになってきた。嬉しいはずなのに、どこか怖い。新しいリズムは楽しいけれど、まだ少し、不安だ。それでも、とめたくないからリズムを探す。ゆっくり、音を重ねていく。慎重に、慎重に。楽譜のない音楽が、始まっていく。
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2つのクルミっ子

母が唐突に「クルミっ子が食べたい」と言った。東京駅を散々歩き回り、やっと見つけた。クルミっ子は売り切れ。それでも2つだけ入っている詰め合わせがあった。年老いた母親にとって、遠出は簡単ではない。来てよかった。1時間以上電車に揺られ、帰りつく。...
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雨の仕業  ーある春の日③

4月の雨は暖かくて好きだ。生き物たちが、嬉しそうにしている。でも、まだ見ていたかった桜は散っていく。社内も、どこか落ち着かない。ふと、外を見た。気づけば、桜に、新芽が広がっていた。わたしの中にも、何かが芽吹く。これも、春の雨の仕業だろうか。...