2つのクルミっ子

母が唐突に
「クルミっ子が食べたい」と言った。

東京駅を散々歩き回り、やっと見つけた。


クルミっ子は売り切れ。

それでも2つだけ入っている詰め合わせがあった。

年老いた母親にとって、遠出は簡単ではない。

来てよかった。

1時間以上電車に揺られ、帰りつく。



「これが食べたかったのよ」

母は、一瞬で食べた。


ほんのり苦い、キャラメルの味。

親孝行と、少し似ていた。

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