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新しいリズムはぎこちない

慣れない人と、話せるようになってきた。嬉しいはずなのに、どこか怖い。新しいリズムは楽しいけれど、まだ少し、不安な音が鳴る。それでも、とめたくないからリズムを探す。ゆっくり、音を重ねていく。慎重に、慎重に。楽譜のない音楽が、始まっていく。
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2つのクルミっ子  ー旅シリーズ①

母が唐突に「クルミっ子というお菓子が食べてみたい」と言った。休日、東京駅を散々歩き回りやっと見つけた。クルミっ子は売り切れ。それでも2つだけ入っている詰め合わせがあった。年老いた母親にとって、遠出は簡単ではない。来てよかった。片道1時間以上...
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雨の仕業  ーある春の日③

4月の雨は暖かくて好きだ。でも、まだ見ていたかった桜は散っていく。社内も、どこか落ち着かない。ふと、外を見た。気づけば、桜に、新芽が広がっていた。わたしの中にも、何かが芽吹く。これも春の雨の仕業だろうか。そっと、胸に手を当ててみる。いつもよ...
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言葉が泡になる日

どうやったって、届かない想いがある。どうしたって、伝わらないことがある。わたしは、また諦めてしまう。どんなに言葉に託しても、泡のように消えてしまう。近づいても近づいても、遠い。わたしのはもっと重いーー。そう思っても、届かない。雨の日は、少し...
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一人で見る桜もいい  ーある春の日②

桜の季節になった。河川敷の桜は、少しだけ咲くのが遅い。それでも満開になる前から、花見客で賑わっている。わたしは、一人で桜を見るのが好きだ。だから、夕方にそっと観に行く。子供たちは遊び足りないのか、まだ駆け回っている。楽しそうな声が響く。桜は...
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頬を撫でた春風  ーある春の日①

3月最終日、明日からカレンダーも4月に変わる。今日は風がつよい。またこの季節が来たかと、少し立ち止まる。あとどれくらい、この風を感じられるだろう。あと数十回。それでも、わたしは完成しない。きっと、未完成なまま、いる。そしてまた、暖かい風がわ...
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自分に戻る戻るための場所  ープロローグ

気づくと、少し無理をしている。自分が遠くて、うまく掴めない。頼りないような、落ち着かないような感覚。そんなときがある。自分に戻りたい。小さく、願う。深呼吸をする。ふとした匂いに気づく。静かな音に耳を澄ませる。そして、ほんの少し頭が空っぽにな...