風が耳元で囁く
「気分はどう?」
わたしはうつむいたまま 風たちの声を聞いていた
風が言う
「空が待ってる」
怪訝な面持ちのまま 目を開けた
頭上には 嘘のない青
指先で触れられそうだ
地上では 長い雨が止んで
重く沈んでいた空気たちが わたしを誘う
泥沼に沈んだ脚で ステップを踏む
葉っぱたちが 雫を払いながら囁き始める
みんな 頬が上気し出した
わたしが手を差し出すと 木の枝もこぞって揺れる
脚に纏わりついた泥を跳ね除けながら
わたしは髪を振り乱し 身体を翻す
色づいた葉っぱも 木の枝も 踊る
風は 重力を吹き飛ばし
わたしはそのまま 舞い上がる
地球の果てまで続く青に溶けて
わたしが 透き通っていく
